近年、働き方が大きく変わるにつれ、リスキリング(reskilling)が注目されています。
リスキリングとは、自身のスキルセットを一新し、新しい職種や業界で働くために必要なスキルを習得することを指します。
これは、既存のキャリアを強化したり、変化する労働市場の要求に対応するために重要な手段となります。
目次
リスキリングって無意味?
ただ、わたしの会社の同僚やTwitterなどのSNSでのコメントをみると、一部の人々はリスキリングを無意味だと感じているようです。
その理由を聞いてみると、概ね以下の4つに集約されます。
この記事の読者とメリット
この記事は、リスキリングの価値に疑問を感じている、またはリスキリングのプロセスに困難を感じているあなたを対象としています。
私は、リスキリングが困難に感じる理由とそれらを解決する具体的なアプローチを調査・研究しました。
その結果を提供することで、あなたのキャリアのプラス材料になればと考えています。
リスキリングが無意味だと感じている理由を深掘りしてみた
リスキリングの重要性が語られる一方で、なぜあなたがリスキリングに意味を見出せないのでしょうか。
ここでは、「リスキリングにかかる時間や費用が惜しいと感じる」、「リスキリングによって自分のキャリアや収入が向上するとは思えない」、「リスキリングに必要な学習意欲やモチベーションがない」、「リスキリングによって自分の専門性やアイデンティティが失われると感じる」の4つの理由を詳細に見ていきましょう。
リスキリングにかかる時間や費用が惜しいと感じる
リスキリングは、新しいスキルや知識を身につけるための時間と労力を必要とします。
これらは一夜にして身につくものではありません。
それに伴う学習資料やプログラムの費用も発生します。
その投資に対する明確な利益が見えにくいため、時間と費用の投資が惜しいと感じてしまうのかもしれませんね。
リスキリングによって自分のキャリアや収入が向上するとは思えない
新しいスキルを習得しても、それがすぐにキャリアの進展や収入増に繋がる保証はどこにもありません。
また、新たな分野のスキルを身につけることで、自分のキャリアがどのように変化するのか具体的なビジョンが描けないって思っているのではないでしょうか。
リスキリングに必要な学習意欲やモチベーションがない
新しいスキルを習得するためには、高い学習意欲と自己鍛錬が必要となります。
リスキリングはチャレンジングな作業であり、それを続けるためのモチベーションを維持することは難しいとあなたは心のどこかで感じているかもしれません。
リスキリングによって自分の専門性やアイデンティティが失われると感じる
長年にわたり磨いてきた特定のスキルや知識があり、それが自分のプロフェッショナルなアイデンティティとなっている場合、新たな分野へのリスキリングはそのアイデンティティを揺るがすものと感じられるかもしれません。
リスキリングが意味ないと感じる理由への解決策を考えてみた
リスキリングが無意味だと感じる理由を挙げ、それぞれについて深堀りをしてきました。では、それぞれの問題に対して、どのような解決策があるのでしょうか。
わたしの結論は以下の通りです。
リスキリングが意味ないと感じる理由 | 解決策 |
---|---|
リスキリングにかかる時間や費用が惜しいと感じる | 1. オンライン学習の活用 2. 自分への投資と考える 3. 助成金や奨学金を探す |
リスキリングによって自分のキャリアや収入が向上するとは思えない | 1. 市場の動向を理解する 2. メンターやコーチを見つける 3. 終身学習の意識を持つ |
リスキリングに必要な学習意欲やモチベーションがない | 1. 目標設定 2. グループ学習 3. 自己啓発の本や記事を読む |
リスキリングによって自分の専門性やアイデンティティが失われると感じる | 1. リスキリング=スキル追加 2. トランスファラブルスキルの認識 3. 専門性の拡張 |
以下、詳細に説明していきますね。
「リスキリングにかかる時間や費用が惜しいと感じる」への解決策
リスキリングにかかる時間や費用を惜しむという問題に対する解決策を3つ考えました。
- オンライン学習の活用:
インターネットを使えば、自宅からでも新しいスキルを学ぶことができます。
また、Udemyやストアカ などの多くのオンライン学習プラットフォームは時間と場所の制約を受けずに学べるので、自分のペースで学習を進めることができます。 - 自分への投資と考える:
リスキリングは投資であると考えると、コストも合理的なものに見えてきます。
リスキリングを通じて新たな機会を得られる可能性を考えると、費用は将来の収益に対する投資と考えることができます。
これ、結構大事な考えだなと思ってます。 - 助成金や奨学金を探す:
国や地方自治体、企業などから提供される教育の助成金や奨学金を利用することも一つの解決策です。
これにより、費用の負担を軽減することが可能です。
これらの例としては、以下があります。
・一般教育訓練給付金
・特定一般教育訓練給付金
・専門実践教育訓練給付金
「リスキリングによって自分のキャリアや収入が向上するとは思えない」への解決策
自分のキャリアや収入が向上するとは思えないという問題に対する解決策も3つ考えてみました。
- 市場の動向を理解する:
リスキリングの目的は、市場の変化に対応することです。
どのスキルが求められているのかを把握し、それに合わせて自分のスキルを更新することで、キャリアの進展や収入増を実現できます。
例えば、以下のようなスキルは需要が高いですね。
・データ分析スキル(SQLやPythonといったプログラミング言語、ExcelやTableauといったツールの使い方、統計学の基礎など)
・コーディング・プログラミングスキル(Java, Python, JavaScriptなどの言語に精通すること)
・デジタルマーケティングスキル(ソーシャルメディアマネージメント、SEO、コンテンツマーケティング、データドリブンマーケティングなど)
・プロジェクトマネジメントスキル(タスクの優先順位付け、時間管理、リソースの割り当て、チームマネジメントなど、プロジェクトを効果的に進行させるためのスキル)
・ソフトスキル(コミュニケーション、問題解決、クリティカルシンキング、リーダーシップなど) - メンターやコーチを見つける:
経験豊富なメンターやコーチからアドバイスを得ることで、リスキリングの方向性を見つけやすくなります。
また、彼らのネットワークを利用することで新たな機会を見つけることも可能です。
どうやってメンターやコーチを見つけるかというと、
・職場で探す
・業界団体・プロフェッショナル組織で探す(自分の業界に関連した団体やプロフェッショナル組織)
・SNSで探す(LinkedInやTwitterなど)
・コーチングサービスで探す(マジキャリなど)
・メンターシッププログラムで探す(大学や非営利団体、企業などが提供するメンターシッププログラム) - 終身学習の意識を持つ:
スキルは常に更新され、新たなものが求められる時代です。
終身学習の意識を持つことで、自分自身を常にアップデートし続けることができます。
「リスキリングに必要な学習意欲やモチベーションがない」への解決策
リスキリングに必要な学習意欲やモチベーションがないという問題に対する解決策はこちら。
- 目標設定:
明確な目標を設定することで、モチベーションを引き出すことができます。
また、達成可能な小さな目標を設定し、それを達成することで自信をつけることも重要です。
目標設定については、「7つ習慣」や「目標達成の技術」などの書籍がおすすめです。 - グループ学習:
一緒に学習する仲間がいると、学習意欲が高まります。
また、他の人と協力して学習することで、新たな視点を得ることができます。 - 自己啓発の本や記事を読む:
自己啓発の本や記事を読むことで、新たな視点を得たり、モチベーションを引き出すことができます。
例えば、「夢をかなえるゾウ」や「チーズはどこへ消えた」などがおすすめです。
「リスキリングによって自分の専門性やアイデンティティが失われると感じる」への解決策
自分の専門性やアイデンティティが失われると感じる問題に対する解決策はこちらです。
- リスキリング=スキル追加:
リスキリングはあなたの専門性やアイデンティティを消すものではなく、新たなスキルを追加するものです。
過去の経験や知識は、新しいスキルを学ぶ上での基盤となります。 - トランスファラブルスキルの認識:
すでに持っているスキルの中には、他の分野でも役立つトランスファラブルスキル(転用可能なスキル)があります。
これを理解することで、自分のアイデンティティを保ちつつ、新たなスキルを学ぶことが可能です。
トランスファラブルスキルとは以下のようなものです。
・コミュニケーションスキル
・問題解決スキル
・リーダーシップ
・タイムマネジメント
・チームワーク
・適応性 - 専門性の拡張:
新たなスキルを学ぶことで、自分の専門性をさらに広げることができます。
これは、自分のアイデンティティを拡大することにもつながります。
まとめ
リスキリングは未来への投資であり、その過程は個々の生涯学習の一部です。
それは一度限りの行為ではなく、一生続きます。
自己啓発の重要性を理解し、新しいスキルの習得を絶えず追求することで、自己のキャリアと人生に対するコントロールを保つことができます。
本当に価値のあるスキルを持つことで、私たちは自分自身を求人市場でより魅力的にし、自分自身の人生をより充実させることができます。
リスキリングは必ずしも容易な道ではありませんが、その価値は計り知れません。
ぜひあなたもリスキリングしてみませんか?
参考Webサイト
Forbes JAPAN 「“やらされる”リスキリングでは意味がない ー 「内発的動機」と「経験の場」がつくる躍動的な人財」
【基礎知識】「リスキリング」は知っていますか?意味と目的を徹底解説